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汗疹(あせも/かんしん)について
梅雨になり、ジメジメと暑い日が続きますね。今回は、この時期に多い「あせも」についてお伝えします。
汗疹(あせも/かんしん)とは?
あせもは、汗の通り道である汗管が詰まり、汗が皮膚の外に出られなくなることで起こる皮膚疾患です。汗をかきやすい夏場や、高温多湿の環境で発症しやすい身近な皮膚トラブルです。
原因
汗が皮膚に長く留まっていると、ほこりや皮脂などで、汗管の閉塞が生じます。その結果、汗が汗腺の中で溜まり、皮疹が生じます。
・汗管の閉塞 :汗の出口が角質や皮脂汚れなどで詰まる
・高温多湿環境 :汗をかきやすく、蒸発しづらい状況
・衣類の摩擦 :きつい衣服による物理的刺激
・不適切なスキンケア:過度な洗浄や保湿不足
あせもの症状
あせもは、汗の通り道が詰まる深さによって3つのタイプに分けられ、それぞれ症状が異なります。
水晶様汗疹(白いあせも)
最も軽度なあせも
見た目:透明〜白い小さな水ぶくれがポツポツと出る
かゆみ:ほとんどない
特徴 :数日で自然に治ることが多い。赤ちゃんの顔にできやすい。
紅色汗疹(赤いあせも)
最も一般的で症状が強いあせも
見た目:赤い小さなブツブツが密集して出る
かゆみ:強いかゆみがある
特徴 :掻いてしまうと悪化しやすい。
特にお子様の場合、掻き壊してしまうとトビヒ(とびひ)になってしまう可能性あり
深在性汗疹(白く平たいあせも)
比較的珍しいタイプで、日本ではあまり見られません。
できやすい箇所
汗をかきやすく、蒸れやすい部位によくできます。
・首回り ・脇の下 ・胸 ・背中
・肘の内側 ・膝裏 ・おむつ部分 ・皮膚の重なる部分
当院での治療法
基本的には緊急度は高くありませんし、うつることもありません。しかし、痒みや見た目に煩わされることが多く、重症化すると掻きむしることによる二次感染が問題となります。
外用薬
・ステロイド外用薬:炎症とかゆみを抑える
・抗炎症外用薬 :軽度の炎症を抑える
・保湿剤 :皮膚のバリア機能を回復する
内服薬
・抗アレルギー薬:アレルギー反応の抑制、かゆみを軽減する
日常生活での予防・対策
高温多湿を避けて、清潔を保つことが一番です。
・汗をかいたらなるべく早めにシャワーで流す
(シャワーを浴びられない場合は、優しく拭き取る、またはこまめに着替える)
・石鹸を使用して洗浄し、肌を清潔に保つ
・エアコンや除湿器を活用して、汗をかきすぎないようする
・通気性の良い素材の衣服にし、タイトな服は避ける
・夏でも、軽いテクスチャーの保湿剤を使用し、皮膚のバリア機能を保つ
あせもでお困りの方へ
軽度のあせもは自然治癒することもありますが、かゆみが強い場合や広範囲の場合は適切な治療が必要です。掻きむしってしまってトビヒになることも珍しくありませんので、早めにご相談ください。