
ウイルス性のイボについて
「イボができちゃった!」
「なんでできちゃうの?」
「予防法はない?」
今回は、こんなよくあるお悩みのひとつ、「ウイルス性のイボ」について解説いたします。
ウイルス性のイボ(尋常性疣贅)とは
・ヒトパピローマウイルスの感染による皮膚病
・手や足にできることが多い
・表面がザラザラしていて、色は肌色や白色、褐色が多い
治療
当院では、液体窒素を第一選択として提案させていただき、患部の状態により内服や外用の提案もしております。
液体窒素
-196℃の液体窒素で患部を凍らせることで、ウイルスに感染している細胞を破壊します。同時に炎症を起こすことで免疫細胞を活性化させ、ウイルスを排除する効果があります。治療時は氷を押し当てた時のようなしみる痛みがあります。
スピール膏
角層の剥離に加え、イボに対する免疫細胞を活性化させる効果もあります。
漢方(ヨクイニン)
ハト麦の種皮を除いた成熟種子を乾燥させた生薬で、消炎作用があります。副作用として胃部不快感、下痢などの消化器症状、痒みが出ることがあります。
甘さがあり、小さい子でもラムネ感覚でぼりぼり食べられますよ。
通院頻度
患部の様子を見ながら1~2週に1度のペースで行います。保険制度上1週間あけないと治療できません。
部位や大きさによりますが、5㎜程度でも治るまで約3カ月ほどかかる場合が多いです。
イボってうつるの?
ウイルス性のイボは、HPVウイルスが感染による皮膚病のため、「うつる」可能性を秘めています。しかし、私たちの皮膚は、解剖学的な構造や免疫の働きなどで、ウイルスや細菌などの感染から守られています。正常の皮膚には、通常感染しにくいと考えられます。
ただ、皮膚に小さい傷ができてウイルスの侵入を許したり、免疫力が低下すると、イボができ易かったり、ひどくなったり、治りにくくなります。
イボの予防法ってあるの?
イボに全くならないようにするのは不可能ですが、イボのウイルスは正常の健康な皮膚には感染しません。髭剃りあとや、指の“さかむけ”や手足の荒れなど、「障害のある皮膚にでき易い」ことが分かっています。
なので、肌荒れに対するスキンケアや、アトピー性皮膚炎など基礎疾患の治療を通して「イボ」のできにくい皮膚の環境作りをすることが大切です。免疫の低下するご病気の方、免疫抑制剤を使用中の方は、特にこのような点に注意して下さい。
イボかな?と思ったら
治療に時間がかかる場合もございますので、「これイボかな?」と思ったらお気軽にご相談くださいね。