
思春期以降に生じる毛穴の皮脂分泌過剰、詰まり(角化異常)、ニキビ菌の増殖が関与する慢性炎症性疾患です。ありふれているため「青春のシンボル」と言われることもありますが、ニキビ痕が残るなど悩みとなったり、いじめの原因になることもあることから、早く治療をすることにより赤みやニキビ痕を予防する積極的な治療と維持療法が勧められます。
治療法
ニキビには面ぽう(白ニキビ、毛穴の詰まり)と膿疱(赤ニキビ、アクネ菌が増えている)があります。それぞれに治療が異なります。
面ぽう
詰まり(角質)を取り除く塗り薬(過酸化ベンゾイル、アダパレン)を毎日塗ります。ピーリング作用があり、詰まりが少しずつ改善します。
ニキビ痕
固いできものが残ったときは、ステロイド局所注射をします。瘢痕・ケロイドの場合にはステロイド局所注射とトラニラストや漢方の内服を行います。
これらに加え、皮脂腺の脂の分泌に影響を与えるビタミンB2、B6、漢方の内服やビタミンB2の注射を行うこともあります。
生活上の注意
毛穴が詰まらないよう、洗顔が大切です。こすりすぎないように1日2回石鹸で洗ってください。詰まりが気になる場合はピーリング石鹸をお試しください。
乾燥するときは保湿も必要です。お化粧で悪化するのが心配なときは、ニキビ肌用「ノンコメドジェニックテスト済み」と記載の製品を選んでください。
食べ物とニキビの因果関係は明確になっていませんが、バランスの良い食事をとるように心がけてください。性ホルモンの影響を受けますので、多くの女性患者では、月経前にニキビの悪化がみられます。
治りにくいニキビ
保険診療で良くならないときは以下の自費診療もあります。
肌表面にある古い角質を取り除き、肌のターンオーバーを活性化する作用があります。膿んだニキビができにくく、ニキビ痕が目立ちにくくなります。
アクネトレントはイソトレチノインというビタミンAの一種で、皮脂の分泌を抑える作用、アクネ菌の抗菌作用、炎症を抑える作用に優れているため、重症の炎症性ニキビに対して効果があります。
超極細針で肌に小さな穴を一時的に作り、肌の回復力を向上させる治療です。コラーゲンが生成され、ニキビ跡や毛穴の開きなどが改善されます。