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円形脱毛症について
「急に髪の毛が抜けてしまった」
「これって円形脱毛症…?」
こんな不安を感じている方が、多くご来院されます。
円形脱毛症の患者数は、約200万人。実は、日本の100人に1~2人が悩んでいる身近な病気です。
今回は、円形脱毛症について、原因・治療・日常生活のポイントまでお伝えします☺
1. 「脱毛症」とは
「脱毛症」とは、本来生え変わるはずの毛が抜けたり、薄くなったりする病気の総称です。脱毛症には多くの種類があり、原因や治療法、回復の経過はそれぞれ異なります。
「円形脱毛症」の特徴
その中でも、「円形脱毛症」は、毛を作る組織(毛包)の周りに炎症が起き、自分の免疫が誤って自分の体を攻撃してしまう「自己免疫疾患」の一つです。頭部に円形の脱毛ができるだけでなく、頭全体の毛が抜けたり(全頭型)、全身の毛が抜けたり(汎発型)することもあります。
「円形脱毛症」と他の脱毛症の違い
例えば、「男性型脱毛症」などは毛が細くなり薄毛が進みますが、「円形脱毛症」はリンパ球という細胞が毛根を壊そうとする反応によって毛が抜けるのが特徴です。
2. 「円形脱毛症」の原因は?
原因は、免疫バランスの異常です。本来はウイルスなどから体を守るはずのリンパ球が、誤って毛根の組織を攻撃してしまうことで発生します。
よく「ストレスが原因」と言われますが、最近の研究ではストレスはあくまで「きっかけ(誘因)」の一つに過ぎないと考えられています。実際、ストレスが少ないはずの乳幼児にも重症の円形脱毛症が見られることがあります。
▼その他の「きっかけ」としては、以下のものがあります。
• 遺伝的背景: 円形脱毛症になりやすい体質を遺伝的に持っている場合があります。
• 身体的ストレス: ウイルス感染症、肉体的な疲労、出産などがきっかけになることもあります。
• 他の病気の合併: アトピー性皮膚炎や甲状腺の病気、膠原病などと関連することもあります。
3. 「円形脱毛症」になったら2度と生えない?
円形脱毛症になっても、毛を作る機能が完全に失われたわけではありません。 私たちの髪には「毛周期(ヘアサイクル)」という生え変わりの仕組みがあり、通常は休止期を経て再び新しい毛が作られます。
円形脱毛症の経過は人それぞれです。
• 小さな脱毛: 自然に改善することも多くあります。
• 再発や拡大: 一生に一度だけの人もいれば、何度も再発を繰り返す人もいます。
• 重症度による違い: 頭全体や全身に広がるタイプは、通常の円形脱毛よりも治りにくい傾向がありますが、早期に適切な治療を始めることが有効な場合があります。
4. 「円形脱毛症」の治療は?
日本皮膚科学会のガイドラインでは、症状に合わせていくつかの治療法が推奨されています。当院では、3つの治療法があります。
1. ステロイド療法
炎症を抑えるために、薬を塗ったり(外用)、脱毛部に直接注射したりします。急激に広がる場合には、点滴(ステロイドパルス療法)を行うこともありますが、当院では行っていないため、他の病院にご紹介させていただきます。
2. 紫外線療法
人工紫外線(UVB)を患部に照射することで、過剰に反応している免疫を抑制し、免疫を正常化させる治療方法です。
3. 内服薬
セファランチなど内服薬で、血流促進や抗アレルギー作用により、脱毛部の改善を図ります。
5. 「円形脱毛症」を予防する方法はある?
残念ながら、「これをすれば絶対に防げる」という特別な予防法は今のところありません。 しかし、再発を繰り返す方の場合は、自分にとっての「きっかけ(ウイルス感染や過度の疲労など)」を把握し、それを避けるようにすることが再発予防につながる可能性があります。
6. 抜け毛を防ぐ日常生活の注意点
健康な髪を維持し、抜け毛の原因を作らないためには、「健康的な生活習慣」と「正しいヘアケア」が基本となります。
• 頭皮の健康を守る: 自分に合ったシャンプーを選び、乾燥しすぎず油っぽくならない頻度で洗髪しましょう。
• 髪への負担を減らす: 髪を強く引っ張る髪型や、頻繁すぎるヘアカラーなどは避けるのが望ましいです。
• バランスの良い食事: 髪の代謝にはビタミンやミネラルが欠かせません。
• 適度な休息: 規則正しい生活を送り、身体に過度の負担をかけないようにしましょう。
円形脱毛症でお悩みの方へ
小さな脱毛斑なら自然に改善してしまう方も多くいらっしゃいますが、何度も再発したり徐々に多発、拡大したりするような場合には、早めに受診が大切です。1日に100本程度の抜け毛は自然な生え変わりですが、急に抜け毛が増えたと感じたら、お気軽に当院にご相談くださいね。



