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乾癬について
日本に40万人以上の患者さんがいると言われる「乾癬」についてご存じですか?
乾癬は慢性皮膚病の一種で、良くなったり悪くなったりを繰り返し、長期化することも多い疾患です。
今回は、乾癬の治療法と、治療法の1つである紫外線療法について解説します。
乾癬の症状
乾癬は、原因不明の慢性皮膚病の一種です。
全身のあちこちに、銀白色の鱗屑(白いフケのようなもの)が付いたり、直径1~数cmに皮膚が赤く腫れる紅斑ができる慢性炎症性疾患です。全身にできますが、頭、肘、膝、お尻などこすれる部位にできやすいです。かゆみや膿をもった皮疹ができることも。
また、爪が凹んだり白濁したり、関節の変形や破壊をもたらす関節炎を伴うことがあります。(日本では約10%)
4つの治療方法
1.外用薬
ステロイド軟膏、ビタミンD3軟膏の塗り薬による治療が基本です。
2.紫外線療法
外用療法を続けながら、「紫外線を当てる治療」を行います。
3.内服薬
外用薬で良くならない場合は、アプレミラストやレチノイド、シクロスポリンを内服します。
4.生物学的製剤(注射または点滴)
3つの治療で効果が得られない重症な場合は、生物学的製剤やJAK阻害薬による治療が行われます。
紫外線療法(エキシマライト)って?
尋常性乾癬の保険適応でできる治療法の1つに、紫外線療法があります。当院では、「エキシマライト」という紫外線療法を導入しています。
エキシマライトは、308nm(UVB)を利用した光線療法です。皮膚の「免疫のバランスを整える」「炎症を抑える」作用があります。健康な皮膚へのダメージが少なく、安全性の高い処置です。
乾癬の患部に紫外線を照射することで、活性化T細胞を抑制し、炎症性物質が減少します。また、表皮細胞の増殖を抑えます。
効果・作用メカニズム
免疫の調整
炎症を起こすT細胞を減らし、免疫反応を落ち着かせます。
抗炎症作用
サイトカインを抑制して、炎症を軽減します。
細胞の増殖抑制
表皮細胞の異常な増殖を抑えます。
色素再生の促進
メラノサイトを刺激して、メラニン生成を促します。
バリア機能の改善
皮膚のターンオーバーを整え、乾燥・かゆみを軽減します。
副作用
赤み:数日続くことがあります。
炎症後色素沈着:約3~6ヶ月で肌になじんでいきます。刺激せずに過ごしてください。
水泡形成:まれに生じます。その際は、ご自身でつぶさずにご受診ください。
乾癬の症状でお悩みの方へ
当院は、患部に限定して紫外線を照射できる「エキシマライト」を取り扱っています。ご希望の方は、お気軽にご相談くださいね。

 
  

