粉瘤（アテローム）について

「これって、もしかして粉瘤…？」そんなできものができることはありませんか？

粉瘤（アテローム）は、俗に 「脂肪のかたまり」などと呼ばれることもありますが、実は本当の脂肪の塊ではありません。今回は、よくある皮膚病の１つ、粉瘤について解説します。

 

粉瘤ってどんな病気？

粉瘤（アテローム）は、皮膚の内側に袋状の構造物ができ、本来皮膚から剥げ落ちるはずの角や皮脂が、袋の中にたまってしまってできた良性の腫瘍です。たまった角質や皮脂は、時間とともに少しずつ大きくなっていきます。

症状・特徴

・体のどこにでもできるが、特に「顔、首、背中、耳のうしろ」などにできやすい

・やや盛り上がった数cmの半球状のしこり

・強く圧迫すると、そこから臭くてドロドロしたネリ状の物質が出てくることも

化膿すると…

粉瘤が炎症をおこすと、表面が赤くなり、痛みを伴うようになります。これを「炎症性粉瘤」と呼びます。炎症がさらに進むと、表面の赤みは大きくなり、痛みも強くなります。内容物がドロドロになって膿みとなり、ブヨブヨしてきます。腫れが限界に達すると、嚢腫は破裂して非常に臭いドロドロの膿性内容物が出てくることがあります。

巨大な粉瘤がが二次感染を起こすと、高熱が出ることもあります。

 

治療した方がいいの？

粉瘤の治療は、部位や症状等によって異なります。

炎症がない場合

良性腫瘍なので、炎症を伴わず、痛みなどの自覚症状がなければ、特に治療をしないで構いません。

しかし、「外観的に問題になる場合」や「外的刺激を受けやすく、将来的に炎症や破裂を生じる可能が高い場合」は、外科的に切除します。巨大なものでなければ、局所麻酔による日帰り手術が可能です。

炎症している場合

強い痛みや腫れがある場合は、早急に表面を切開して、膿みを出したほうがよいとされてます。

 

粉瘤かも？と思ったら

粉瘤は、ときに炎症を起こして腫れることや、似ているようで全く異なる腫瘍もたくさんあります。気になる方は、一度ご受診ください。