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傷ができてしまったら
「転んで傷ができてしまった…」
「お湯をこぼしてヤケドしてしまった…」
日常生活で、思いがけずに傷ができてしまうことはありますよね。
傷は、適切な処置をしないと、感染して治るのに時間がかかってしまったり、傷跡が残ってしまったりします。今回は、よくある質問「市販で購入できるキズパワーパッドを使ってもいい?」について解説します。
キズパワーパッド(ハイドロコロイド)とは
「キズパワーパッド」や「ケアリーヴ 治す力」などの市販の製品は、傷の処置によく使われます。いずれも、「ハイドロコロイド製剤(創傷被覆材)」と言い、傷口の上に貼って使います。
ハイドロコロイドの効果
ハイドロコロイド製剤は、傷口から染み出してくる体液を閉じ込めて、「傷の保護」「自己治癒の促進」効果があります。当院でも、傷の治療にハイドロコロイド製剤(デュオアクティブ)を採用していますが、ドラッグストアでも購入できます。
ハイドロコロイドはなぜ傷にいいの?
傷跡を残さずきれいに治すためには、「乾燥させず、適度な湿潤環境を保つ」ことが大切です。ハイドロコロイド製剤は、体液を閉じ込めることで、体が本来もっている自己治癒力を促進することができます。
このような治療法は「湿潤療法」と呼ばれ、「傷口をきれいに洗い」「消毒せず」「乾燥させない」治療の方法です。近年の傷治療では「湿潤療法」が基本となっています。
ハイドロコロイドの使い方
使い方は以下の通りです。
1)傷口をきれいな水道水で洗う。(石鹸を使って清潔にしてください)
2)水気をやさしく拭き取り、傷口よりもひとまわり大きいサイズでハイドロコロイド製剤を貼る。
※ハイドロコロイド製剤の交換は、テープが剥がれてしまったときや、傷口からの浸出液が漏れ出てしまった時に行います。浸出液はできるだけそのままにしておいたほうが良いので、3日間くらいは貼ったままがおすすめです。
ハイドロコロイドの注意点
「キズパワーパッド」などのハイドロコロイド製剤は、「傷といったらまずこれ!」というほど一般に浸透していますが、キズパワーパッドを貼って効果的な傷と避けるべき傷があります。「キズパワーパッドさえ貼ればなんでも治る」というわけではないのでご注意ください。
キズパワーパッドが効果的な傷
基本的に「平らで、浅くて、皮が剥けている」状態の傷に効果的です。
例)
①靴擦れ
②皮が剥けた程度の擦り傷
③お湯がかかって赤くなっている程度のヤケド。
キズパワーパッドを避けるべき傷
基本的に「化膿している傷」「出血が多い傷」「傷口がぱっかり開いている傷」にはNGです。
これらの傷は、ハイドロコロイド製剤の中で菌が繁殖するリスクが生じやすくなります。
例)
①時間が経過した傷
傷ができてから数日が経過し、膿が出ている場合は、すでに感染が進行している可能性があります。このような場合は、速やかに受診してください。
②屋外で転んで出血している傷
屋外で転倒した際の傷は、砂利やゴミなどの異物が皮膚に入り込んでいる可能性があります。どのような細菌が付着しているか分からないため、キズパワーパッドで密閉してしまうと感染を悪化させるリスクがあります。この場合は、まずは異物を取り除き、清潔な状態を保つことが重要です。
③動物に噛まれた傷
動物に噛まれた時の傷は、見た目以上に深く損傷していることが多いです。さらに、口腔内の細菌が傷の奥まで入り込んでいる可能性があります。動物に噛まれた場合は、必ず医療機関を受診してください。
キズパワーパッドを使用すべきか迷っている方へ
正しく使えば、傷を保護しながらきれいに治していくことができます。しかし、適切な使用をしないと、かえって感染や治りの遅れにつながります。
使用してもいい傷・避けるべき傷についてご解説しましたが、実際の傷の状態は一人ひとり異なります。判断に迷う場合や、使用して赤く腫れたり痛みが強くなった場合はお近くの皮膚科にご相談くださいね。



