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単純ヘルペスについて
夏も終わりに近づき、季節の変わり目の時期になりました。今回は、夏の疲れなど疲労やストレスが溜まったときにご相談の多い「単純ヘルペス」についてお話しします。
単純ヘルペスとは
「単純ヘルペスウイルス」による感染症です。感染後、神経にウイルスが潜伏し、風邪などによる発熱や疲労、寝不足、ストレスなどで免疫が低下することでウイルスの活動が始まります。
潜伏していたウイルスが活動すると、口唇や性器に小さな水泡ができたり、ピリピリ・チクチク違和感が生じます。一度感染すると、生涯にわたって神経に潜伏するため、繰り返す病気になります。
治療方法は?
ウイルスの増殖を抑える「抗ヘルペスウイルス薬」の内服薬の治療になります。
潜伏しているウイルスを追い出せるお薬はまだありません。
初めてヘルペスになった方は、当日に結果がわかる検査をご案内し、治療開始となります。
<繰り返すヘルペスにPIT治療法>
水ぶくれができる前の初期症状(ピリピリ、チクチク)を感じた時に開始する「PIT治療法」という治療があります。
ヘルペスを繰り返す方、仕事などですぐに受診ができない方にお勧めの治療です。
あらかじめお薬を処方し、ピリピリなどの初期症状を感じた時に6時間以内に内服する治療方法になります。PIT治療は、神経でウイルスが増殖し始めた時に内服することで、ウイルスが増えすぎる前に増殖を抑えることができ、症状が治まるまでの期間を短くすることができます。
そのため、口唇ヘルペスや性器ヘルペスと診断されたことがあり、自分で初期症状がわかる患者さんのみに処方ができるものになります。
<水ぶくれができた後の治療法>
抗ヘルペス薬の内服薬や外用薬の処方になります。
効果を発揮するのは、神経や皮膚でウイルスが増えている間です。そのため、できるだけ早く使用することが大切です。お薬を使用することで症状が治まるまでの期間を短くし、症状の軽減ができます。しかし、使用を開始しても、効果が出るまで時間がかかることもあり、2日ほどは症状が悪化する場合があります。原則5日間の服用になります。
<水ぶくれを抑制する治療法(再発抑制療法)>
性器ヘルペスの方が対象です。頻繁に性器ヘルペスを繰り返す方に対して適応の治療になります。
抗ヘルペスウイルス薬を飲み続けることで再発をしにくくします。毎日薬を服用する期間は、患者さんによって異なります。
ヘルペスになったときの注意点
・水ぶくれ後のかさぶたは、無理やりはがさないようにしましょう。
・症状の出ているところを触ると、ウイルスが付着することがあります。触れた時は手を石けんで洗いましょう。
・赤ちゃんに移ると口内炎や発熱などの症状が現れるので、接触はできるだけ避けましょう。
症状がない時の注意点
・栄養バランスが取れた食事や十分な睡眠ととり、疲れやストレスはためないように心がけましょう。
・疲れがたまっているときや、体調がすぐれないときには無理をしないようにしましょう。
ヘルペスかな?と思ったら
ヘルペスは一度なると繰り返す病気ですが、症状の出る頻度や生活スタイルに合わせた薬の処方ができます。
「これってヘルペスなのかな?」とご不安な方も、当院で検査ができますので1度ご相談ください。